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実相寺監督作品

 投稿者:余湖  投稿日:2020年 1月 5日(日)04時50分5秒
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  シルバー仮面のところで、実相寺昭雄監督のことに触れたので、ここで少し解説をしておきたい。

実相寺氏は、ウルトラシリーズの監督として知る人ぞ知る人物である。

ウルトラシリーズの中で、さまざまな問題作を製作しており、ウルトラマンでは、実相寺作品だけを集めた映画が公開されたこともあるほどである。

ウルトラマンで最も有名なのはジャミラを描いた「故郷は地球」である。テーマは「科学が人間を簡単に犠牲にしてよいのか」ということであり、重いテーマもさることながら、実相寺氏らしい光と影とを使い分けた映像が心に残る作品であった。

ウルトラセブンの最大の傑作と言える「狙われた町」も実相寺作品である。

ストーリー展開や映像の撮影の仕方など、非常によくできた作品であった。

特に最後の「人間同士の信頼感に目を付けるとは実に恐ろしい宇宙人です。でも、ご安心ください。これは遠い未来のお話。我々人類は、今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼し合ってはいませんから」というナレーションによって、現代の寓話となっていく演出は秀逸であったと思う。

ウルトラシリーズの作品は、2話を同時に撮影していくのだが、「狙われた街」と同時撮影されていたのが、後に放送禁止作品となってしまった第12話「遊星より愛をこめて」である。

この作品にはとても思い入れがある。ウルトラセブンは本当に幼いころに見ていた作品だったのだが、子供なりによく内容を覚えていた。

特に「遊星より愛をこめて」は、スペル星人の姿も含めて、印象に残っていたのである。(自分の記憶ではペペル星人だったのだが)

ところが、後に再放送を見るたびに、なぜかスペル星人の出てくる話が放送されないことに気が付いた。「なんでペペル星人の話をやらなかったのだろう?」

親に頼んで買ったもらった「怪獣ウルトラ図鑑」にもスペル星人が掲載されていなかった。実はこの図巻、昭和43年に雑誌「ぼくら」の付録に付いていた怪獣図鑑を焼き直したものだったのである。基になった図鑑を自分は持っていて、そこにはスペル星人が載っていたことを記憶していた。(ただし、この付録は母親に捨てられてしまったため、その当時は所持していなかったが)「なぜペペル星人がカットされているのだろう?」と疑問に思った。

今のようにインターネットで情報を得られる時代ではなかったから、いろんな本などを探し求めて、それについて一生懸命に知ろうと努めたものである。

そうして何年も過ぎた後に、12話が欠番となっていることを知った。そして、あちこちで情報を集めて、何故それが欠番にされてしまったのかという事実に、ようやくたどり着いたのである。

そこにたどり着くまでには10年かかったものである。今だったらネットで探せばすぐに検索できるし、映像そのものも見ることができる。

ところが、インターネットの存在しない当時、私が12話の映像を手に入れるためには、さまざまな紆余曲折があったものである。ちなみに私に12話の映像を送ってくれたのは、あの宮崎勤であった。(自分の人生の中で、後に死刑囚となるような人物とかかわりを持ったのは、この1回だけである)

12話は、「狙われた街」と同様、人類にとってありきたりのものを小道具として用いている。「狙われた街」ではタバコ、12話では腕時計である。そうした小道具を用いたミステリー仕立てになっていた。

そして、ラスト。「私忘れない、決して。地球人も宇宙人も同じように信じあえる日が来るまで」とつぶやく早苗に対して、モロボシダンの心の声は、「そう、そんな日はもう遠くない。だってM78星雲人の僕が、君たちとこうして一緒に戦っているじゃないか」と語りかけていく。その姿はシルエットとなっている。

この最後のセリフは、「狙われた街」の「我々人類はまだ宇宙人に狙われるほどお互いを信頼し合っていない」と対になっているのである。

そして、今思うと、最終回のアンヌとの別れのシーンでのセリフ、「人間だろうと、宇宙人だろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの」につながっていた!

この2作品以外にも第43話「第四惑星の悪夢」、第44話「円盤が来た」も実相寺作品であるが、いずれも名作であったと思う。

そんなわけで、シルバー仮面で実相寺氏作品を久しぶりに見られたのはとてもうれしかったのである。

ところで、この記事を書いていて、学生時代にスペル星人の姿を残しておこうと思って、自分で模型を作ったことを思い出した。探したらまだあったので紹介しておきます。

全身ケロイドの独特のデザインで、子供向け番組に出てくる宇宙人としては違和感があるデザインである。欠番になってしまったのには、このデザインも関係していると思う。
 
 
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